【取材協力しました】サイゾー17年7月号「日本の"裏"を知る本100冊」
お知らせです。
月刊サイゾー7月号の特集「日本の"裏"を知る本100冊」内の「ハリウッドで『原作改変』が横行する理由」という記事に取材協力しました。
「映画化間近な未翻訳小説」というお題の取材に答えて6冊ほどコメント付きで選書したものを、1ページのコラムにまとめていただいています。
紙版の他、KindleやKindle Unlimited、dマガジンでも読めるはずなので是非ご覧ください。6月19日発売です。Webでも一部無料で読めます。
同誌で長年連載をしている映画評論家の町山智浩さんを大尊敬しているので、同じ雑誌に関与できて嬉しかったです。あと、このブログでも紹介済の本については以下に過去記事リンクを貼っておきます。
*2017.07.17:リンク追加("American War" を新たに記事にした)
・・ところで、同誌にコーネリアス小山田圭吾のインタビューが載っていて、息子がもう高校生と知ってビビりました。父親は息子からドレイクのpassionfruitを教えてもらったりしているそうな。。
サイゾー2017年7月号【ヤバい本100冊・三代目JSB EXILEと春樹・コーネリアス小山田圭吾】
- 出版社/メーカー: サイゾー
- 発売日: 2017/06/19
- メディア: 雑誌
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Cornelius - 『あなたがいるなら』"If You're Here"
AIは人間に興味がない - To Be a Machine by Marc O'Connell
「人間は最適化されていないシステム(suboptimal system)だ」
身体のサイボーグ化、脳の冷凍保存、意識のアップロード・・本書「To Be a Machine」で、作家・コラムニストのマーク・オコンネルはトランス・ヒューマズム(超人間主義)と呼ばれるムーブメントの推進人物たちを訪ねる。
続きを読むフランク・オーシャンは恋人をお前と呼ぶか - 翻訳における人称の屈折や揺らぎについて
小ネタ記事。英語の一人称や二人称を日本語にどう訳すかは複雑になりつつあって、それは「男らしさ」や「女らしさ」といった概念が揺らいでいることにも関係しているのではないか、という説。
前の記事でもちらっと紹介した、米国社会で黒人がどう生きるかを父が息子に説く「世界と僕のあいだに」(タナハシ・コーツ著)という本の日本語版に次のような記述があった。
続きを読む息子よ。お前と僕はその「底辺」なんだ。一七七六年にはそれが真実だった。そして今もなお真実だ。お前がいなければ連中もいないし、お前を破壊する権利がなければ、連中は山から滑り落ち、聖性を失い、「ドリーム」から転落する。
*下線は筆者
(タナハシ・コーツ「世界と僕のあいだに」池田年穂訳より)
XにおいてYであることについての本(そして自分語りはなぜつまらないのか論)
Omar Saif Ghobash - Letters to a Young Muslim
仮説。世の中のエッセイはすべて「XにおいてYであること」についての文章であると分解できる。
Xは外部環境のことで、時代や国や所属する組織や家族などを指す。
Yは内部環境のことで、性別や人種や年齢や職業といった自分自身の属性を指す。
駐ロシアUAE大使であるOmar Saif Ghobash(オマール・サイフ・ ゴバッシュ)によるLetters to a Young Muslim(若きムスリムへの手紙)という本を読んでそんなことを思った。
続きを読む目次
- 21世紀の世界においてムスリムであること
- いろいろなXやY
- 自分語りはなぜつまらないのか論
【番外】集中できない人のための読書法
書評じゃない番外記事。
読書に集中できない人あるある満載の上の記事がとても面白かった。
ただ、じゃあ読書に集中できない人はどうすればよいかの話は(ネタ記事だから)無かったので、対策案を書いてみた。さらに、ドラマとかマンガとかあるのになぜ本なんか読むのかについて個人的な理由を考えてみた。
なお、「読書」「本」と言ったときにリンク元記事が小説を想定しているのでこの記事も同じ想定で書くけれど、小説じゃないノンフィクション等にも援用できる話だと思う。
ではどうぞ。
続きを読む目次
- 集中できない人のための読書法(チートなし編)
- 集中できない人のための読書法(チートあり編)
- ドラマとかマンガとかあるのになんで本なんか読むの?
- 文章でしか表現できない感覚
NYタラレバ娘、あるいは、大人になれば - All Grown Up by Jami Attenberg
美大に行って、嫌いになって、中退をして、ニューヨークへ。
(You're in art school, you hate it, you drop out, you move to New York City.)
そんな書き出しで始まる本書All Grown Upの主人公アンドレアは、40歳になろうとしている独身女性である。
ある日、一冊の本が出版される。今では結婚している有名な女性が独身時代を懐かしむエッセイだ。シングルであるとは何かについて語るその本を同僚の24歳の女性がアンドレアに貸そうとしてくる。興味あるとか言ってないのに。アンドレアの母はその本をネットで注文して送りつけてくる。"あなたの助けになると思って"。義理の妹は電話越しに聞いてくる。"そういえばあの本知ってますか"。大学時代の友人はフェイスブックで書評のリンクを送りつけてくる。"これを読んであなたを思い出したの"。
・・でも、アンドレアにそんな本は不要だ。シングルライフについて知らないことなんて、彼女には何ひとつ無いのだから。
続きを読む目次
- "What next?"
- 幸せ探しから成長/成熟へ
- 大人の知性の3段階