文学はケータイテキストをどう扱うと効果的か
小ネタ記事。
カルチャーメディアのThe Millionsに「テキスト・ミー:フィクションにおける新しいテクノロジーについて」という記事が出ていた。
これを材料にして、文学はケータイのテキストメッセージをどう扱うと効果的かを考えてみる。
結論を先に書くと、人がケータイで見せる自分と、本当の自分は必ずしも同一ではないので、その差異を利用すると面白いんじゃないか。
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なんかもう当たり前みたいになってるけど、Facebookのデータと広告だけで人の行動を変えられるのすごくないか
この記事はケンブリッジ・アナリティカ事件への雑感。
上にリンクした英ガーディアンの記事と、昨年2017年に私的ベストに挙げた”Everybody Lies”(日本語版「誰もが嘘をついている」発売中)という本を材料にして考える。
言いたいことはタイトルの通り。この事件は、Facebookの責任を問う「個人情報不正取得」事件という側面で語られる。でも、その背景にある「行動操作」またはmind fuckの理論の方がもっとやばいんじゃないか、という話。
事件の概要は各ニュースでわかるので省く。簡単にいうと、トランプ陣営とスティーブ・バノンが2016年の大統領選時に契約していたデータ分析会社であるケンブリッジ・アナリティカ社(以下CA)が、Facebook(以下FB)のデータを5千万人規模で合意なく取得して、選挙広告に利用した、というもの。
ではどうぞ。
続きを読む目次
- 好きな人が何に「いいね」しているかわかったからって、あなたに惚れさせられるだろうか
- サイオペ(PSYOPS)する
- A/Bテストと規模の科学
- まとめ:従来の権力闘争がお菓子作りに見えてくる世界
- 余談、と日本語字幕リンク追記
ある敗北の記録 - もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来 by yomoyomo
もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来
このブログにとっては先輩でありネタ元でありパクリ元である存在のyomoyomoさんが2017年末に発売した電子書籍。ネットの現在と未来について、WirelessWire Newsの連載コラムを再構成したもの。
続きを読む「ちょっとしたことでうまくいく」と、個人的な英語習得経験
当たり前を言語化して学ぶことの価値について。
読書猿さんの以下ツイートで知った本を入口にして考える。
こうした、当たり前過ぎて我々が言語化していない行動について、改めて丁寧にできるように解説してある書物は、重要だし役に立ちますね。 https://t.co/oTDZlkTlYl
— 読書猿『問題解決大全』4刷、『アイデア大全』8刷 (@kurubushi_rm) 2018年2月7日
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小袋成彬「分離派の夏」が終わらせてほしい、J-POPが確認しがちな事
Lonely One feat. 宇多田ヒカル - 小袋成彬 on Apple Music
書評じゃない番外記事。
まだ全貌を聴いていない音楽への期待。
サマリすると、小袋成彬の音楽はJ-POPが確認しがちな「みんな同じ空の下つながっていてひとりじゃない」的なメンタリティから自由なので好き、という話。
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みんな嘘つき - 検索データの新科学
2017/09/18 初出
2018/02/09 日本語版発売につき更新
「誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性」
→2017年のベストにも挙げた本なのでご一読を。
人に言えない秘密でも、グーグルになら言えるはず。
本書"Everybody Lies: Big Data, New Data, and What the Internet Can Tell Us About Who We Really Are"は、元グーグルのデータサイエンティストであるSeth Stephens-Davidowitz(以下ダヴィドウィッツ)による初の著書である。
タイトルを訳すと「みんな嘘つき:ビッグデータ、新しいデータ、そしてインターネットが教える本当の私たち」。
ダヴィドウィッツの語り口は洒脱で軽妙だ。データサイエンスがテーマである本書の「あとがき」を"How many people finish books?"(何人が本を最後まで読むのか?)と題していて笑った。でも、グーグルトレンドなどオンライン上のデータを用いて彼が分析する対象は重いテーマが多い。性的嗜好、人種差別、人工中絶、うつ病など。なぜなら、こうした領域の調査ではみんな嘘をついているからだ。
目次
- 人が調査に嘘をつくとき
- 検索ウインドウは教会の懺悔室
- 失業者が求職サイトより検索するもの
- 社会科学は本当の科学になるか
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