未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

寝なくて平気は自覚がないだけ - Why We Sleep by Matthew Walker

Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams (English Edition)

 

わかっちゃいるけど寝てられない。

そんな人が読むべき本。

 

神経科学者で心理学者のマシュー・ウォーカーによる本書"Why We Sleep"は、睡眠の重要性を詳述する。睡眠不足は認知能力の低下を招くだけでなく、肥満や高血圧から免疫不全や癌まで健康上のリスクを増大させる。

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霞が関の中心でデジタル独裁を叫んだ会長

 

叫んではいないだろうけれど、経済同友会の会長は「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリがお好きなようだ。

 

ハラリが2018年1月のダボス会議で語ったDigital Dictatorship(デジタル独裁)という概念を、三菱ケミカルの会長でもある小林喜光氏が国交省の検討会資料にぶっこんでいた。

 

http://www.mlit.go.jp/common/001220776.pdf

国土交通省スーパー・メガリージョン構想検討会第6回資料3(PDF)

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文学はケータイテキストをどう扱うと効果的か

 

小ネタ記事。

 

カルチャーメディアのThe Millionsに「テキスト・ミー:フィクションにおける新しいテクノロジーについて」という記事が出ていた。


 

これを材料にして、文学はケータイのテキストメッセージをどう扱うと効果的かを考えてみる。

 

結論を先に書くと、人がケータイで見せる自分と、本当の自分は必ずしも同一ではないので、その差異を利用すると面白いんじゃないか。

 

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なんかもう当たり前みたいになってるけど、Facebookのデータと広告だけで人の行動を変えられるのすごくないか

 

この記事はケンブリッジ・アナリティカ事件への雑感。

 

上にリンクした英ガーディアンの記事と、昨年2017年に私的ベストに挙げた”Everybody Lies”(日本語版「誰もが嘘をついている」発売中)という本を材料にして考える。

 

言いたいことはタイトルの通り。この事件は、Facebookの責任を問う「個人情報不正取得」事件という側面で語られる。でも、その背景にある「行動操作」またはmind fuckの理論の方がもっとやばいんじゃないか、という話。

 

事件の概要は各ニュースでわかるので省く。簡単にいうと、トランプ陣営とスティーブ・バノンが2016年の大統領選時に契約していたデータ分析会社であるケンブリッジ・アナリティカ社(以下CA)が、Facebook(以下FB)のデータを5千万人規模で合意なく取得して、選挙広告に利用した、というもの。

 

ではどうぞ。

 

目次

  • 好きな人が何に「いいね」しているかわかったからって、あなたに惚れさせられるだろうか
  • サイオペ(PSYOPS)する 
  • A/Bテストと規模の科学
  • まとめ:従来の権力闘争がお菓子作りに見えてくる世界
  • 余談、と日本語字幕リンク追記
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ある敗北の記録 - もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来 by yomoyomo

http://www.yamdas.org/image/is2cover.jpg

もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来

 

このブログにとっては先輩でありネタ元でありパクリ元である存在のyomoyomoさんが2017年末に発売した電子書籍。ネットの現在と未来について、WirelessWire Newsの連載コラムを再構成したもの。

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「ちょっとしたことでうまくいく」と、個人的な英語習得経験

ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本

 

当たり前を言語化して学ぶことの価値について。

読書猿さんの以下ツイートで知った本を入口にして考える。

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