未翻訳ブックレビュー

Lost-In-Translation Book Review. 日本語版発売を待たずに本を紹介するページです

ぼくのかんがえた2030年 - 日本と欧州がイスラム圏に加わって米露中と対峙する日

Letters to a Young Muslim

 

 

書評とあんまり関係ない、ただの思いつきのネタ。

 

'ちきりんの日記'の「日本はムスリム・フレンドリーな国になって留学生や観光客を引きつけるべき」という主旨の連載記事を読んで思ったのだけど、

 

最近のトランプ政権の、ロシアとエネルギー生産国ブロックを作って中東と対立しそうな勢いの動きとか、

 

マーシャル・プランとかから続く70年間の多国間主義を捨てて「外国で何が起ころうと知らん」という方針を見ていると、

 

ムスリムの留学生や観光客を引きつけるどころか、

もっと振り切って

「日本もいっそイスラム圏の国になるのが理に適っているんじゃないか?」

と思ってしまった。

 

そして、そこに「ヨーロッパの重心を南に移すこと」(ミシェル・ウェルベック「服従」より)を図った欧州の国が合流したらおもしろそう。

 

そんなわけで、2030年ぐらいに世界がこんな政治経済文化ブロックに分かれたりしないかなというのを妄想してみた↓

 
 

 

ひとつ目は、「高緯度の資源国」かつキリスト教圏というつながりで形成される、アメリカとロシア中心のニュー・ノース・ブロック。強い産業は農業と金融。主な社会秩序は法と正義。 

2050年の世界地図―迫りくるニュー・ノースの時代

2050年の世界地図―迫りくるニュー・ノースの時代

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ふたつ目は、2030年にはとっくにアメリカを追い越して世界一の経済大国になっている中国1国だけで形成される、グレート・チャイナ・ブロック。強い産業は製造業。主な社会秩序は金と権力。もしかしたら「第二の中国大陸」としてアフリカも加わるかも。

中国第二の大陸 アフリカ:一〇〇万の移民が築く新たな帝国

中国第二の大陸 アフリカ:一〇〇万の移民が築く新たな帝国

 

 

そして最後に、地中海〜インド洋〜太平洋と世界の海をまたいで形成されるイスラム圏ブロック。まず中東のサウジとイラン、それにトルコ。南アジアのパキスタンとバングラを経由して、マレーシアとインドネシアという東南アジアのイスラム教国までつながる。強い産業はサービス業。主な社会秩序は美と道徳。

 

で、そこに日本もねじこんでみた。そして、レ・レコンキスタみたいなことが起こることにして、スペインも入れた。ついでにイタリアとフランスも加えた。ドイツ、は扱いがよくわからないので入れなかった。

 

こんな感じで3つのブロックが形成される。どのブロックも、エネルギーと食糧は基本的にブロック内で調達する。あと、バイオとかITとかの先端科学はどのブロックもそれぞれ力を入れてしのぎを削り合う。

 

各ブロックに入れた国を単純合計した2014年/2030年/2050年の人口とGDPの予測は以下の感じ。ついでに、扱いがよくわからなかったインドもここには入れてみた。

 
 

人口のソース:World Population Prospects - United Nations

GDPのソース:PwC調査レポート「2050年の世界」 

 

うむ、いい感じで競争しているぞ。

 

こうブロックを分けると、日本って、今までどおりアメリカのケツをなめてひとつ目に入れてもいいし、がんばって中国のクツをなめてふたつ目に入れてもいいのだけど、ここは思いきってアラーの神に「服従」して、みっつ目に入ったら面白そうだなーと思う。

 

とはいえ、今いる日本人の多くは改宗したりしないだろう。なので、「日本イスラム教国化」作戦として、移民や難民をばんばん受け入れる。シリアだろうがどこだろうが、中東で紛争があって難民が発生したら日本に入れる。疲れたる貧しき者や家を失った民を我らの土地へ送りたまへ。中東の政治リスクに対する「保険」を日本が負うのだ。そのかわり、現在大部分を中東への輸入に頼っている石油はめっちゃ安く供給してもらう。これで景気も良くなるし少子化も解決である。

 

これまでの日本の歴史で、中国や仏教圏の影響を強く受けた時代とか、英米やキリスト教圏の影響を強く受けた時代はあった。でも、イスラムの影響を強く受けた日本文化というのはまだ歴史が試していない。ルネサンスが生まれたイタリアはイスラム交易網のいち拠点に過ぎなかった。スペインのパエリアはアラブ人が稲作をイベリア半島に持ち込んだから生まれた。きっとイスラム x 日本の組合せはヤバい文化を生むだろう。とりあえず、フランス・スペイン・イタリア・トルコ・日本を擁するこのブロックは絶対にロシア・アメリカよりメシがうまい。

 

皮肉だけど、たとえば世界経済フォーラムの男女平等度ランキングを見ると、111位の日本は英米よりもはるかにイスラム圏の国々に順位が近い。きっと文化的な相性は良いはずだ。原理主義的なイスラム勢力に対しても、平和的な日本人が融和策を見出すだろう。

男女平等度ランキング - 世界経済のネタ帳

 

・・といった感じで、なんか日本のイスラム教国化って可能性に満ちているとしか思えないのだけどどうしよう。

 

とりあえずこのブログでは、駐ロシアUAE大使が「現代においてムスリムであることはどういうことか」を語りかける'Letters to a Young Muslim'(若きムスリムへの手紙)という本をそのうち紹介するかもしれない。

Letters to a Young Muslim

Letters to a Young Muslim

 

 

服従

服従

 

そのアーチの間を歩く内に、ぼくのノスタルジーは少しずつ消え去り、そのことについて考えるのも止めていた。ミリアムに初めて会った一階のカフェテリアの前を通ったとき、ぼくは彼女のことを考えた。少しの間だけだったが、しかしそれは痛みを伴う想いだった。学生たちは、現在は言うまでもなくヴェールを被っていた。多くは白いヴェールで、二人組か三人組でアーケードの下を通り、その光景は少しばかり修道院を思わせた。少なくとも全体の印象は否定しようもなく真面目に思えた。

 

以上、思いつきネタおわり。