未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

問題を大きくしないと話をきいてくれない人たちがいるから気をつけろ - What We Owe Each Other

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、第3回が更新されました。 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの学長でもある経済学者ミノーシュ・シャフィクの"What We Owe Each Other"を紹介しています。所得格差の拡大やSDGsも踏まえた「新し…

ごらん世界は美しい。それはいいけど、あなたはどこ?

Beautiful World, Where Are You by Sally Rooney サリー・ルーニーの新作小説"Beautiful World, Where Are You"、すごく良いタイトルだと思った。 ルーニーは1991年アイルランド生まれの女性作家で、これまでに2作の小説を発表。若者の恋愛を描いて、いわゆ…

すぐに忘れてよいという特権 - What Strange Paradise

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、第2回が更新されました。 有料記事なので、こっちのブログにはteaser・予告編・オマケ話みたいなものを書こうと思います。 今回取り上げたのは、オマル・エル=アッカドの小説第2作"What Strange Para…

新しい連載が始まりました

www.fsight.jp お知らせです。 新潮社さんの国際政治経済情報webメディア「Foresight(フォーサイト)」で、新しく連載を始めました。 毎月、世界について新しい視点を与えてくれる本を紹介して考察を加える予定です。以下、リードを引用します。 書籍という…

【最近のマンガ話#3】和山やま「夢中さ、きみに」、または、干渉しない多様性という存在しないユートピア

前回と、前々回に続いて、最近読んだマンガの話。 和山やまの「夢中さ、きみに。」に男子校を舞台にした連作短編が収められていて、その中に「林くん」というキャラクターが出てくる。 彼は周りから見て「よくわからない男」だ。学校の階段の数を全て数えて…

【最近のマンガ話#2】池辺葵「ブランチライン」、または、社会とは値札である

前回の記事に続いて、最近読んだマンガの話。 池辺葵「ブランチライン」の1巻を読んだ。女性ばかり4姉妹の家族を描いた物語でとても素晴らしいのだけど、この記事ではまた本筋とは関係ないところを紹介したい。 主人公姉妹のひとりがはたらく職場に後輩の若…

【最近のマンガ話#1】「チ。地球の運動について第4集」または、ルールを守らせる側になる面倒くささ

最近読んだいくつかのマンガについて語りたい事が溜まってきたので、ラフに連続記事にしてみようかなと思う。 まずは「チ。地球の運動について」の第4集。このマンガの主題については以下の記事で以前紹介したので省略する。 巻を重ねても相変わらず面白いの…