未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

グーグル・バスに石を投げる - Throwing Rocks at the Google Bus by Douglas Rushkoff

要約
  • 企業の成長(growth)と人間の繁栄(prosperity)とが一致しない状態を「成長の罠」と呼ぶ
  • UberやAirbnbなどの独占型プラットフォームはシェアビジネスじゃなくて単なるアグリゲートビジネスだ
  • 独占型の「デジタル産業主義」ではない「デジタル分散主義」にシフトすべき

【番外】もしUSにフリースタイルダンジョンがあったら

The Rap Year Book: The Most Important Rap Song From Every Year Since 1979, Discussed, Debated, and Deconstructed (English Edition)

 

書評と何の関係もない、遊びの番外エントリです。

 

フリースタイルダンジョンをいつもYoutubeで見ていたのですが、権利問題の関係でオフィシャルにはYoutube配信中止になってしまいました。

 

で、かわりに?Swayのフリースタイル動画を見ていたら、Commonがめっちゃかっこいいラップをしてました。

 

これ見ながら、「もしUSにフリースタイルダンジョンがあって自分がモンスターを選ぶとしたら誰にしよう」と妄想しました。

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【まとめ】エトガル・ケレットと「あの素晴らしき七年」

 

2016/06/06追記

「あの素晴らしき七年」の訳者の秋元孝文さんがこのブログを紹介してくださいました!

秋元孝文 On the Road to Nowhere: エトガル・ケレット 『あの素晴らしき七年』 書評情報

あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

黄色い本 (KCデラックス アフタヌーン)

(注)個人的な「黄色い本」3きょうだい。どれかを好きな人には他もオススメ。どこかの書店さんで悪ふざけで並べてくれないだろうか・・

 

ここ最近、イスラエルの作家エトガル・ケレットと彼のエッセイ集「あの素晴らしき七年」についてばかり書いたので、まとめ記事を作っておく。

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書くための10のルール(というか隠れた真実)by エトガル・ケレット

 

イスラエルの作家エトガル・ケレットの自伝的エッセイ集「あの素晴らしき七年」に恋しているので、引き続き関連エントリー。

 

Twitterでケレットによる執筆十ヶ条という記事を紹介している方がいた(この方はケレットのエッセイのうまさを米原万理と並べていて、それもなるほどと思った)。


この記事がまたとても面白かったので、勝手に訳して紹介する。

 

作家向けに書かれたルール集だけど、作家にかぎらず、絵でも音楽でもプログラミングでも企画書や提案書でもなんでも、なにかを作り出す人には有益なアドバイスになるかもしれない。アドバイス、といいながら「きみが作るものはきみしか知らないのだから人のアドバイスなんか聞くな」というのが一番のポイントだったりする。ではどうぞ。

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架空の賛辞で好きな本を全力プッシュしてみる

 

あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)

目次

  • 前置き:「私の」本
  • エトガル・ケレット「あの素晴らしき七年」ー本書に寄せられた本当の賛辞
  • エトガル・ケレット「あの素晴らしき七年」ー本書に寄せられた架空の賛辞

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イスラエルでは裏切り者、他の国でもボイコット - エトガル・ケレットインタビュー抄訳

”In Israel people would boycott me saying I’m a traitor, and overseas people would boycott me because I’m Israeli.”

「イスラルでは人々は私を裏切り者と呼んでボイコットし、海外ではイスラエル人だからという理由でやはり人々は私をボイコットする。」

“We’re all listening to the same music, but maybe in Israel … the volume is slightly louder.”
「私たちはみな同じ音楽を聴いている。でも、おそらくイスラエルではボリュームが少しだけ大きいんだ。」

 

イスラエルの作家エトガル・ケレットの自伝的エッセイ集「あの素晴らしき七年」(The Seven Good Years)の日本語版がつい先日(16年4月)新潮クレストブックスから発売されていて読んだ。

 

これがほんとうに素晴らしい本で、冷笑と諧謔とやさしさと愛が入り混じった小編群は舞台がイスラエルのウディ・アレン映画のようだった。

(アマゾンにそんなレビューを投げた:テルアビブのウディ・アレン

 

この本を全力でプッシュする記事をこの記事とは別にまた書こうと思うけれど(2016/05/10 追記:全力で書いた!)、英ガーディアン誌のページによくまとまったインタビューが載っていたのでその中から発言をいくつか抄訳しておく。

 

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