当ブログいちおし、イスラエル人作家エトガル・ケレットのエッセイ集「あの素晴らしき七年」が第3回日本翻訳大賞の最終選考6作に残っていて、今日が大賞発表日だった。
で、結果は・・
惜しくも受賞ならず。
いや、惜しかったのかどうかは知らないけれど。
第三回日本翻訳大賞受賞作 決定第三回日本翻訳大賞の選考会が平成29年4月9日(日)早稲田で行われ、候補作品の中から『すべての見えない光』(アンソニー・ドーア/藤井光訳 新潮社)と『ポーランドのボクサー』(エドゥアルド・ハルフォン/松本健二訳 白水社)が受賞作に決まりました。
賞を取っても取らなくても管理人にとっては心の友みたいな作家なのでこれからも紹介していきたい。
「わしは人生を愛しとる」と父は医者に向かって譲らない笑顔を見せて言った。「もし人生の質がよければそりゃ結構。質が悪けりゃ、それはそれで仕方ない。えり好みはせんよ」
「わしらは今、とても理想的な状況にあるぞ」とまったく真剣な様子で、ぼくの手を撫でながら父は言う。「どん底の状態で決断を下すのがわしは好きなんだよ。こんなひどい状況なんだから、最終的にはどう転んだってプラスにしかならんだろ」
(「あの素晴らしき七年」所収の「打ちのめされても / Ground Up」より)