未翻訳ブックレビュー

Lost-In-Translation Book Review. 日本語版発売を待たずに本を紹介するページです

変わるのは火星か人間か - How We'll Live on Mars by Stephen Petranek

2015/09/06 初出
2018/05/21 日本語版発売につき更新

火星で生きる (TEDブックス)

として発売中

How We'll Live on Mars (TED Books) (English Edition)

How We'll Live on Mars (TED Books) (English Edition)
作者: Stephen Petranek
発売日: 2015/07/07

 

"Das Marsprojekt"

第二次世界大戦終結から6年後の1951年、"Das Marsprojekt"(The Mars Project)というドイツ語で書かれた小冊子がアメリカで発行された。

 

作家レイ・ブラッドベリによる1950年作「火星年代記」と発表年はあまり変わらないが、こちらはSFではない。航空宇宙学者のWernher von Braunが、火星探査の方法について考察したものだった。米ソの宇宙開発競争が始まる以前の時代に、地球の軌道上に宇宙ステーションを建設しそこから再利用可能な ロケットを火星に送るという構想を掲げ、実現のために地球からロケットの打上げが何回必要になるかを試算していた。

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【お知らせ】寄稿連載を始めました

 

お知らせです。
Webメディアで寄稿連載を開始しました。

 

日本の翻訳出版の著作権仲介で60%のシェアを持っていて、ムーミンの版権管理会社でもあるタトル・モリエイジェンシーさんがnote上に新しく立ち上げたページ「翻訳書ときどき洋書」に掲載されています。

 

私の枠は、植田かもめの「いま世界にいる本たち」。

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寝なくて平気は自覚がないだけ - Why We Sleep by Matthew Walker

Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams (English Edition)

 

わかっちゃいるけど寝てられない。

そんな人が読むべき本。

 

神経科学者で心理学者のマシュー・ウォーカーによる本書"Why We Sleep"は、睡眠の重要性を詳述する。睡眠不足は認知能力の低下を招くだけでなく、肥満や高血圧から免疫不全や癌まで健康上のリスクを増大させる。

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霞が関の中心でデジタル独裁を叫んだ会長

 

叫んではいないだろうけれど、経済同友会の会長は「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリがお好きなようだ。

 

ハラリが2018年1月のダボス会議で語ったDigital Dictatorship(デジタル独裁)という概念を、三菱ケミカルの会長でもある小林喜光氏が国交省の検討会資料にぶっこんでいた。

 

http://www.mlit.go.jp/common/001220776.pdf

国土交通省スーパー・メガリージョン構想検討会第6回資料3(PDF)

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文学はケータイテキストをどう扱うと効果的か

 

小ネタ記事。

 

カルチャーメディアのThe Millionsに「テキスト・ミー:フィクションにおける新しいテクノロジーについて」という記事が出ていた。


 

これを材料にして、文学はケータイのテキストメッセージをどう扱うと効果的かを考えてみる。

 

結論を先に書くと、人がケータイで見せる自分と、本当の自分は必ずしも同一ではないので、その差異を利用すると面白いんじゃないか。

 

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