未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

理性は誤解されている - The Enigma of Reason by Hugo Mercier, Dan Sperber

The Enigma of Reason

 

人間は”予想通りに不合理”に行動する。

でも、なぜ?

 

ともにフランスの認知科学者であるユーゴ・メルシエとダン・スペルベルは、本書"The Enigma of Reason"(理性の謎)で、人間の理性とは何かを見直す。

 

まだ2月だけど2018年ベストの一つに選ぶだろう本。

 

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逃げれば過去とも向き合える - The Glass Castle by Jeanette Walls

The Glass Castle (English Edition)

Jeanette Walls - The Glass Castle

 

ニューヨークで芸能系ニュースの記者・編集者として働くジャネット・ウォールズは、ある女性がゴミ箱を漁っているのを見つける。それは彼女の母親だった・・

 

両親との思い出と葛藤を綴った自伝的ノンフィクションを入り口に、何かから「逃げてもよいとき」についてこの記事では考えてみる。

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俺のグラミー/アカデミー/ピュリッツァー賞2017

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毎年恒例、年に一度の自己満足の祭典。
俺のグラミー/アカデミー/ピュリッツァー賞。

 

2017年に管理人が気に入った音楽と映画と本を紹介する。今年で早くも3回目。ではどうぞ。

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センス・オブ・ワンダーの最新地図 - A New Map of Wonders by Casper Henderson

A New Map of Wonders: A Journey in Search of Modern Marvels

 

「アップルパイを作りたいなら、まずは宇宙を創造しないと」(カール・セーガン)

"If you want to make an apple pie, said the astronomer Carl Sagan, you must first invent the universe. " 

 

何かに驚いて感動する。そんな「センス・オブ・ワンダー」を体験することは純粋に楽しい。でもそれだけじゃない。宇宙や自然など、自分以上の何かの存在を感じることは人を謙虚にさせる。本書"A New Map of Wonders: A Journey in Search of Modern Marvels"は、世界ふしぎ発見!のための新しい地図だ。作家・ジャーナリストである著者のCasper Herderson(カスパー・アンダーソン)が、哲学・歴史・宗教・自然科学・テクノロジーを行き来しながら現代の驚異を旅する、人文・自然科学エッセイである。

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