未来が見える未訳本カタログ2019
毎年恒例、面白そうな未訳本の私的セレクト記事である。
昨年から8月に公開することにしたので、個人的な夏休みの宿題みたいなものになりつつある。
今回で早くも通算4年目で、昨年のこの記事では「邦訳が一番出てほしい本!」としてロスリングの「ファクトフルネス」を紹介してたなーとか、その前の年はユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」にかなりくらっていたとか、振り返ってみると面白い。
この記事で紹介するカテゴリーは例年と同じく以下の3つである。
- Fiction & Art / フィクションと芸術
- Business & Society / ビジネスと社会
- Science & Technology / テクノロジーと科学
ちなみにもう日本語版が出たのでこのリストには入れていないが、この夏に読むべき本を一冊だけ挙げるなら、別の記事で先日紹介したリウ・ツーシンの中国SF「三体」である。冷房の効いた部屋で読んでいても脳が何度も焼かれるほどの熱量。一気読みをオススメする。
ではリストをどうぞ。
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SFの面白さとは? - 劉慈欣「三体」
中国語版だけでシリーズ累計2100万部、オバマ元大統領やザッカーバーグも絶賛、世界最大のSF賞と言われるヒューゴー賞を英語圏以外で書かれた作品として史上初めて受賞。アホほど話題の尽きない中国SF「三体」の日本語版発売を、それこそ異星文明の降臨を待つように期待していた人は多いはず(自分もそのひとり)。
で、予約して発売日に読み始めた・・これは、仕事を休んで一気読みしたくなる面白さ、かつ、読み終わったら次の日も仕事を休んで余韻に浸りたくなる素晴らしさだ。
続きを読む【寄稿連載更新】ジャレド・ダイアモンドの新作がビミョー
世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。
ジャレド・ダイアモンドが国家の危機について書いた新作を紹介しています。基本的に読んで面白かった本を紹介する連載なのですが、はじめてイマイチだった本について書いています↓
タイトルはもともと「ジャレド・ダイアモンドの新作がヒドかったので理由を考えた」だったのですが、まっとうなバランス感覚で補正していただきました笑
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【寄稿連載更新】未来はアジア
タトル・モリエイジェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。
地政学の専門家パラグ・カンナの新作"Future is Asian"を紹介しています↓
アジアと米国や欧州との取引が、アジア内部で完結する取引に置き換わっていく「アジアのアジア化」という大局観を語る本です。これを読んでからだと、米中貿易摩擦やファーウェイ排除はその動きを加速するんじゃないかと思えます。
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飛行機は羽ばたかなくても飛べる - AIと知性について
noteで寄稿している連載↑にて取り上げたAI研究者インタビュー集"Architects of Intelligence"についてのスピンオフ記事。
同書に収録されたDeepMind社のデミス・ハサビスのインタビューが面白かったので発言を抄訳しておく。人工知能研究も、本質は他の学問と同じなんだ、という話。
目次
- 知性の定義
- AIは人間をそっくり真似しなくてもいい
- 科学の王道
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