A Haphazard Guided Tour of Humanity on the Brink: a collection of some favorite books. pic.twitter.com/aImxQOBSPF
— Yuval Noah Harari (@harari_yuval) October 29, 2018
小ネタ記事。
「サピエンス全史」「ホモ・デウス」のユヴァル・ノア・ハラリが、ツイッターにオススメ本リストを投稿していたので以下にまとめてみた。
詳細は不明なのだが、どうやらこれはApple Books*1とのタイアップ企画らしい。
タイトルは、
"A Haphazard Guided Tour of Humanity on the Brink"
と名付けられている。
旅行会社のツアーの名前みたいに訳すならば、
「歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリさんと行く! がけっぷち人類気まぐれガイドツアー」
という感じだろうか。絶滅危惧種のホモ・サピエンスに会いに行く本の旅である。ニューエリートの皆さんも、オールド大衆の皆さんも、がけっぷち人類の同胞として、ウェルカム・オン・ボード。
ちなみに、手前ミソだけど、以前"Sapiens"を書評したときに「宇宙人に人類史を教えるための7+1冊:Sapiensから広げるブックリスト」という記事を書いたので、よかったらあわせてご覧いただきたい。
ではどうぞ。
全12冊中、8冊は邦訳もあるのであわせてリンクしておいた。
"A Haphazard Guided Tour of Humanity on the Brink"
(がけっぷち人類気まぐれガイドツアー)
1. Aldous Huxley - Brave New World

Brave New World (English Edition)
- 作者: Aldous Huxley
- 出版社/メーカー: Vintage Digital
- 発売日: 2008/12/26
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ディストピアSFのクラシック中のクラシックであるオルダス・ハックスレーの1932年作(と言いつつ、管理人は先日はじめて読んで感動した)。
なお、ハラリは3冊目の著書"21 Lessons for the 21st Century"内で"Science Fiction"という章を設けて、本書をネタバレ全開で絶賛している。
2. Daniel Kahneman - Thinking, Fast and Slow

Thinking, Fast and Slow (English Edition)
- 作者: Daniel Kahneman
- 出版社/メーカー: Farrar, Straus and Giroux
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る

- 作者: ダニエルカーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/12/28
- メディア: Kindle版
- 購入: 2人 クリック: 34回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
こちらも既に心理学と行動経済学のクラシックと言えそうな「ファスト&スロー」。カーネマンはハラリの「ホモ・デウス」に推薦文を寄せている。
余談だけど、自戒も込めて、最近いろんな人がいろんな事を「認知バイアス」のひと言で説明していて、便利に使いすぎな気もする。
3. Frans De Waal - Our Inner Ape

Our Inner Ape: A Leading Primatologist Explains Why We Are Who We Are (English Edition)
- 作者: Frans de Waal
- 出版社/メーカー: Riverhead Books
- 発売日: 2006/08/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る

- 作者: フランス・ドゥヴァール,Frans de Waal,藤井留美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
最近では「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」の著書がある動物行動学者フランス・ドゥ・ヴァールの一冊。サルがわかればヒトも(だいたい)わかる。
4. Evan Osnos - Age of Ambition: Chasing Fortune, Truth and Faith in the New China

Age of Ambition: Chasing Fortune, Truth and Faith in the New China
- 作者: Evan Osnos
- 出版社/メーカー: Vintage
- 発売日: 2015/05/07
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る

ネオ・チャイナ:富、真実、心のよりどころを求める13億人の野望
- 作者: エヴァン・オズノス,笠井亮平
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2015/07/28
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (5件) を見る
21世紀は中国のもの。ハラリはダボス会議の講演などで「20世紀は分散処理型の民主主義が独裁をoutperformしてきたけれど、21世紀のAI時代には、膨大なデータを一箇所に集める中央処理型の『デジタル独裁』が民主主義をoutperformするのではないか」と語っている。
5. Jared Diamond - Guns, Germs And Steel

Guns, Germs And Steel: A Short History of Everbody for the Last 13000 Years (English Edition)
- 作者: Jared Diamond
- 出版社/メーカー: Vintage Digital
- 発売日: 2013/07/04
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
- 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2012/02/02
- メディア: 文庫
- 購入: 27人 クリック: 421回
- この商品を含むブログ (196件) を見る

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
- 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2012/02/02
- メディア: 文庫
- 購入: 24人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (108件) を見る
これは説明を省略。読んでない人はハラリの本より優先して読むべし。
6. Cathy O'neil - Weapons of Math Destruction

Weapons of Math Destruction: How Big Data Increases Inequality and Threatens Democracy
- 作者: Cathy O'Neil
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2017/07/06
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログ (3件) を見る
データサイエンティストが暴く「平等なはずのアルゴリズムが格差や不正を助長する理由」。
このブログ的にも激オススメ本で、何度か紹介したので是非ご一読を。
言いにくいことは機械が言ってくれる?(植田かもめ)|翻訳書ときどき洋書|note
データが正義を殺すとき。'数学'破壊兵器とは - Weapons of Math Destruction by Cathy O'Neil
7. Elizabeth Kolbert - The Sixth Extinction

The Sixth Extinction: An Unnatural History
- 作者: Elizabeth Kolbert
- 出版社/メーカー: Henry Holt and Co.
- 発売日: 2014/02/11
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
2050年には種の半分が消える?ハラリの特徴として、人間中心主義を疑う、という視点があるのだけど、この本もそういう視点を支えているのではないかと思う。
8. David Van Reybrouck - Congo: The Epic History of a People

Congo: The Epic History of a People (English Edition)
- 作者: David Van Reybrouck
- 出版社/メーカー: Ecco
- 発売日: 2014/03/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
これは2018年10月時点で邦訳なし。「世界で最も失敗した国」のひとつであるコンゴの歴史を描くノンフィクション。紙版で658ページ・・
9. Joby Warrick - Black Flags: The Rise of ISIS

イスラーム国の黒旗のもとに ―新たなるジハード主義の展開と深層―
- 作者: サーミー・ムバイヤド,高尾賢一郎,福永浩一
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2016/09/17
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
これも歴史ノンフィクション。オスマン帝国時代まで遡ってシリア人歴史家が描くISIS。
10. Ioan Grillo - Gangster Warlords
アフリカ、中東と来て、次はメキシコとブラジル。中南米のドラッグ取引や暴力に迫るノンフィクション。これも2018年10月時点で邦訳なし。
11. Timothy Snyder - The Road to Unfreedom

The Road to Unfreedom: Russia, Europe, America
- 作者: Timothy Snyder
- 出版社/メーカー: Tim Duggan Books
- 発売日: 2018/04/03
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
これも2018年10月時点で邦訳なし。イェール大の歴史学者が描く「不自由への道」。
12. Steven Pinker - Enlightenment Now

Enlightenment Now: The Case for Reason, Science, Humanism, and Progress
- 作者: Steven Pinker
- 出版社/メーカー: Viking
- 発売日: 2018/02/13
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ピンカー最新作「啓蒙なう」。これも2018年10月時点で邦訳なしだけどいずれ出るだろう。ビル・ゲイツも絶賛。
以上!
*1:iOS12以降のiBooksの後継アプリ。エディターや批評家によるコレクション(Apple Musicでいうところのプレイリスト)がけっこう充実している印象。とはいえ、Amazon Musicで音楽を聞いている人が少なそうなのと同じように、Apple Booksで電子書籍を読んでいる人も少なそうなので、記事にはアマゾンのリンクを貼った