未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

バイキンマンはシリコンバレーか深圳に移住すべきだ

※書評じゃない、小ネタ記事です

おれさま、ばいきんまん!―アンパンマンはじめまして

 

バイキンマンは、生まれてくる時代や世界を間違えたのではないだろうか。

 

アンパンマンらが生きるパラレルワールドがそもそもどんな時代に設定されているのか分からない。けれど、作者のやなせたかしの戦争体験から生まれたという点、腹をすかして泣いている子どもをアンパンマンが助けているという点、かびるんるんなどの不衛生な勢力が遍在している点などから、食料や医療などの基本的な生活インフラが整備されていない、経済発展の途上にある世界と考えて間違いなかろう。主要産業は一次産業から二次産業中心への転換期にあり、ちょうど高度経済成長期の日本のような時代にあるのではないだろうか。

 

そして、IT技術はまだ発達していない。 

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【寄稿連載更新】誰も奪えない「選択」の自由

The Choice: A true story of hope (English Edition)

 

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。

 

アウシュヴィッツ生存者である心理学者のEdith Egarが人生に降りかかる困難との向き合い方を語る「The Choice」を紹介しています↓

 

ついでに最近ヤマシタトモコさんのマンガ「違国日記」にハマっていて、無理やり登場させて話をつなげています。

 

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【寄稿連載更新】Kickstarter共同創業者は松下幸之助が好き

This Could Be Our Future: A Manifesto for a More Generous World

 

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。

 

Kickstarter共同創業者のヤンシー・ストリックラーが金融至上主義とは異なる未来のあり方を語る一冊を紹介しています↓

 

これ、今のところ今年のベスト本のひとつです(発表は昨年)。 

ちなみに彼は松下幸之助の本に心酔していて本書で大きく取り上げています。それ読むと、最近SDGsとか言われる経営のありかたって、実はむかしの日本的経営が目指していたものに近いんじゃないかと思わされます。

 

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【寄稿連載更新】世界の終わりはそこで待ってる

Notes from an Apocalypse: A Personal Journey to the End of the World and Back (English Edition)

 

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。

 

文明の終わりに備える「プレッパーズ」たちを取材したノンフィクションを紹介しています。コロナの前に出た本だけど急にタイムリーになった一冊↓

  

 

なお、世界の終わりといえばセカオワよりもミッシェルガンエレファントなあたりがアラフォーのクオリティです。

 

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【番外】2010年代に出たソロアーティストの名盤10選

書評じゃない番外記事。

 

2010年代に発表された音楽から、ソロアーティストのオススメアルバムを10作品選んでみた。コロナで自宅にいる期間が増えて回顧モードなのだ。

 

過去に記事を書いたものはリンクを付けてある。最後に、最近の音楽でよくキーワードとして出てくる(気がする)「エンパワーメント」という言葉についてコメントを書いた。ではどうぞ。

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