未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

【寄稿連載更新】「CRISPR」生みの親の評伝

The Code Breaker: Jennifer Doudna, Gene Editing, and the Future of the Human Race (English Edition)

 

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。

 

『スティーブ・ジョブズ』などの評伝で知られるウォルター・アイザックソンの新作を紹介しています。遺伝子編集技術「CRISPR」の生みの親ジェニファー・ダウドナの評伝であり、コロナに立ち向かう科学者の本でもあります。ぜひどうぞ。

 

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【寄稿連載更新】青空を捨てる未来

Under a White Sky: The Nature of the Future

 

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。

 

名著「6度目の大絶滅」のエリザベス・コルバートの新作を紹介しています。前回紹介したビル・ゲイツ気候変動本からもつながっている本です。是非どうぞ。

 

 

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向田邦子がビヨンセすぎて人生に前向きになれそうだ - 「手袋をさがす」

向田邦子ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

向田邦子ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

 

Spotifyのポッドキャスト番組「ホントのコイズミさん」の向田和子ゲスト回を聞いた影響で、2020年に発売された「向田邦子ベストエッセイ」を読んでいる。オリジナル編集のアンソロジーである。

 

最後に収められた一編「手袋をさがす」が、ものすごく好きだ。「自分らしく生きましょう」なんて言葉は一切使っていないのに、自分らしく生きる背中を押してくれる、またはケツを叩いてくれるエッセイである。「昭和へのノスタルジー」ではなく、いまでも読めるし、いま読まれるべきだ。文庫解説を書いている角田光代は「このエッセイが、ずばり向田邦子という人の本質だと思う」と書いている。


十数ページの小編なのだが、どんなエッセイなのかをかいつまんで紹介する。エッセイのネタバレを気にする人がどのぐらいいるか不明だが、ネタバレありであることをお断りしておく。

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優しさとはあきらめである - 「春にして君を離れ」by アガサ・クリスティー

春にして君を離れ (クリスティー文庫)

春にして君を離れ (クリスティー文庫)

 

アガサ・クリスティーの「春にして君を離れ」を初めて読んだら最高の小説だった。全ページ全センテンス全ワードが好きだ。ポアロは登場せず、殺人事件も起きない小説であり、発表当時はクリスティーが名前を隠して別名で発表していたらしい。

 

けれどもこの小説は推理小説よりもずっとミステリーでホラーでスリラーだ。なぜなら「自分は他人の気持ちを理解できていないのではないか」という恐怖に訴えかける小説だから。以下、ネタバレありの感想である。

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【寄稿連載更新】ビル・ゲイツの気候変動本

How to Avoid a Climate Disaster: The Solutions We Have and the Breakthroughs We Need (English Edition)

 

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。

 

ビル・ゲイツが解説する気候変動本を紹介しています。気候変動版「ファクトフルネス」という感じで分かりやすい本ですので是非どうぞ。

 

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いつか宇宙人に人間について説明してみたい、または「エイリアン系」の本について

Explaining Humans: Winner of the Royal Society Science Book Prize 2020 (English Edition)

 

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しています。「人間を説明するマニュアルがずっと欲しかった」と語る自閉症の分子生物学者カミーラ・パンが著した"Explaining Humans"を紹介しています。

 

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