未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

【和訳とコメント】Joji - Attention

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Joji - ATTENTION | A COLORS SHOW

 

書評じゃない番外記事。

 

アジア系アーティスト集団88rising所属のJojiによる"Attention"という曲の歌詞を訳してみた。上に貼った動画がとても良かったため。ベルリン拠点のYoutube音楽チャンネル"COLORS"でのパフォーマンス動画。

 

88rising、それからJojiことジョージ・ミラーについては以前の記事でも紹介したけれど、日本とオーストラリアのハーフで現在26歳の彼は変わった経歴の持ち主だ。もともとはピンクの全身タイツを着てどうしようもない悪ふざけをするYoutuber*1として有名になって*2、それからシリアスな音楽活動に転身した。彼が出したアルバム"Ballads"は2018年にアジア系のアーティストで初めてビルボードR&Bチャート1位を獲得している。適切な例えなのかわからないけれど、ヒカキンが音楽を出して米津玄師みたいな売れ方をした、という感じのキャリアパスである。

 

余談だけど、88rising所属アーティストの作品はPitchforkなどのいわゆる「音楽好き」向けのメディアでは軒並み低評価で、なんかそれも逆に新しさを感じさせる。パンクが70年代に出たときとかも上の世代から「あんなの音楽じゃない」みたいに言われたのかなとか勝手に想像する。

 

では和訳をどうぞ。

原詞はGeniusの本人公認の歌詞から。

 

Attention by Joji
アテンション / ジョージ 

[Chorus]
Girl, would it kill you just to show a little bit of attention?
なあ、少しぐらい気にかけてくれても死にやしないだろう?

If I hurt you, I'm afraid God's gonna teach me a lesson
君を傷つけたのなら、神がぼくに教訓をくれているのかも

 

[Pre-Chorus]
Now would you hate me if I said goodbye
So quick you could eat my dust?
ぶっちぎりの速さでさよならをしたら、
ぼくを憎むかな?

Now would you hate me if I ran like hell
In the wind from dawn 'til dusk?
朝から晩まで狂ったように疾走したら、
ぼくを憎むかな?

 

[Chorus]
When you cry, you waste your time
Over boys you never liked
好きでもなかった男のことで泣くなんて、時間のムダ

Can you not be so obvious?
当たり前だと思えないの?

So keep it light
So keep it light, no
気楽に行こう、気楽に

 

[Verse]
I thought I'd vocalize my troubles, but nobody will listen
自分のトラブルについて声に出そうかと思った、でも誰も聴かないだろう

I know I'm cryptic and I'm weird, that shit comes off as indifferent
ぼくはわけのわからない変人で、なにも気にしていないヤツに見えてる

I don't wanna die so young
あんまり早く死にたくはない

Got so much to do
やることいっぱい

I don't smile for the camera
カメラの前じゃ 笑わない

Only smile for you
Smile for you
笑うのは君の前だけ 君のため

 

[Pre-Chorus]
Now would you hate me if I said goodbye
So quick you could eat my dust?
ぶっちぎりの速さでさよならをしたら、
ぼくを憎むかな?

Now would you hate me if I ran like hell
In the wind from dawn 'til dusk?
朝から晩まで狂ったように疾走したら、
ぼくを憎むかな?

 

[Chorus]
When you cry, you waste your time
Over boys you never liked
好きでもなかった男のことで泣くなんて、時間のムダ

Can you not?
もうやめない?

*1:

*2:

さらに遡ると彼は「ハーレム・シェイク」というインターネット・ミームの生みの親でもある。同名の曲に合わせて皆が思い思いに踊る動画が2013年ごろに大流行した。「自分がふざけて踊る動画をみんながいきなりマネし始めたのを見てどういう気分だった?」という当時を振り返る質問に対して、Jojiはある動画で「失望したような気分になった。みんな、バカじゃないのって」と答えている。いや、あんたがやったんでしょ笑。