未翻訳ブックレビュー

世界の本への窓 by 植田かもめ

BUSINESS & SOCIETY

クリエイティビティとは「量」である - Ideaflow

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、更新されています。 www.fsight.jp 前の記事でも言及しましたが、スタンフォード大学の経営者向け教育機関であるHasso Plattner Institute of Design、通称「d.school」の教授であるペリー・クレバー…

ベンチャーキャピタルの起源は捕鯨にあり? - VC: An American History

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、更新されています。今回は無料公開記事です。ぜひご覧ください。 www.fsight.jp 米国におけるベンチャーキャピタルとリスクテイク精神の歴史をハーバード・ビジネス・スクール教授が説き起こすトム・…

エリートにもYouTuberにもならなくてよい成功モデル - “Dark Horse” by トッド・ローズ & オギー・オーガス

いい大学やいい企業に入るだけで幸せにはならない。そんな事は、ほとんどの親と子どもがとっくに理解している。 けれども、「個性が大事」「好きなことで、生きていく」といったキャッチコピーも安直には信じられない。結局、どうすればいいのだろうか。 ・…

民主主義とか独裁とかってアルゴリズムが違うだけでしょ?という話

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」が更新されている。 www.fsight.jp 今月は2022年4月に発売された『Spin Dictators』という本を紹介した。ロシアのプーチン大統領をはじめとする21世紀の独裁者たちを、世論の印象操作を行う専門家であ…

「シェイム・マシーン」な社会をどう生きる? - The Shame Machine by Cathy O'Neil

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、更新されています。 データサイエンティスト・数学者であり、AIやビッグデータによるアルゴリズムが差別や偏見を助長し固定してしまう危険性に早くから警鐘を鳴らしてきたキャシー・オニールの新著「T…

敵に360度囲まれている国はどう生き延びるか(メタバースで戦争は減らせるか仮説)

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、更新されています。 暗号資産プラットフォーム「イーサリアム」の誕生にまつわる年代記を異様なディテールで記録したローラ・シンの著書「Cryptopians」を紹介しています。 記事内で、同書の内容から…

あなたにYouTubeを何時間も見させるだけの技術なんてクソなのでは? - AI2041

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、更新されています。 グーグル中国法人の代表でもあったリー・カイフーがSF作家チェン・チウファンとタッグを組んだ新著『AI2041』を紹介しています。半分SF小説、半分評論という異色の一冊です。 この…

問題を大きくしないと話をきいてくれない人たちがいるから気をつけろ - What We Owe Each Other

新潮社「Foresight」での連載「未翻訳本から読む世界」、第3回が更新されました。 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの学長でもある経済学者ミノーシュ・シャフィクの"What We Owe Each Other"を紹介しています。所得格差の拡大やSDGsも踏まえた「新し…

「個人攻撃マシーン」化した社会を論じるキャシー・オニールの新刊はおそらく必読書

発売予定が2022年3月なのでまだかなり先だけど、これは必読だ。AIの活用が助長する社会的な偏見や不公正を論じた「あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠」の著者であるキャシー・オニールの新刊が出る。さっそく予約購入した。 新刊のテー…

【寄稿連載更新】アンチレイシストになるには

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。 歴史学者でありボストン大学反人種差別主義研究センターの所長も務めるイブラム・X・ケンディによる一冊を紹介しています。是非ど…

【寄稿連載更新】価値って何?

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。 経済学者のマリアナ・マッツカートが「価値とは何なのか」を考察した一冊を紹介しています。洋書を毎月紹介するこの連載も気がつい…

【寄稿連載更新】冷戦時代のケンブリッジ・アナリティカ

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。 1960年代、まだIBMの磁気テープコンピュータしかなかった時代に「ビッグデータ分析」をして世論を操作しようとしたサイマルマティ…

【寄稿連載更新】キャス・サンスティーン新作

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されていました。 実践 行動経済学(Nudge)などで知られるキャス・サンスティーンの9月に出たばかりの新作"Too Much Information"を紹介していま…

【寄稿連載更新】Kickstarter共同創業者は松下幸之助が好き

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新されています。 Kickstarter共同創業者のヤンシー・ストリックラーが金融至上主義とは異なる未来のあり方を語る一冊を紹介しています↓ これ、今の…

【寄稿連載更新】「ルーンショット」──“バカげて見えるスゴいアイデア”が世界を変える

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 バイオベンチャーの経営者であり物理学者でもある著者のサフィ・バーコールの「ルーンショット」を紹介しています。ちょうど日本語版も…

【寄稿連載更新】ケンブリッジ・アナリティカ事件の当事者が語る「民主主義をハックする」方法

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 以前の記事でも紹介したケンブリッジ・アナリティカ事件の内部告発者、クリストファー・ワイリー。彼が著作を発表しました。その名もMi…

【寄稿連載更新】Amazonが舞台のディストピア小説。

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 どう見てもAmazonがモデルの超巨大企業Cloudが支配する近未来のアメリカを舞台にした小説、The Warehouseを紹介しています!ぜひどうぞ↓

【寄稿連載更新】マルコム・グラッドウェル新作!

タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 タトル・モリエージェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 「ティッピン…

【寄稿連載更新】ジャレド・ダイアモンドの新作がビミョー

世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 ジャレド・ダイアモンドが国家の危機について書いた新作を紹介しています。基本的に読んで面白かった本を紹介する連載なのですが、はじめてイマイチだった本について書い…

【寄稿連載更新】未来はアジア

タトル・モリエイジェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 地政学の専門家パラグ・カンナの新作"Future is Asian"を紹介しています↓ アジアと米国や欧州との取引が、アジア内部で完結する取引に…

【寄稿連載更新】"大きいこと"にくよくよするな

タトル・モリエイジェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 幸福の研究を専門としている英国の行動科学者ポール・ドーランの新著"Happy Ever After(末永く幸せに)"を紹介しています↓ 好きな本を…

コミュニティを捨てよ、ファクトフルネスを読もう

ロスリングの「Factfulness」、日本語版が発売された。 昨年の6月に下の記事で紹介して以来、既に何度かこのブログでは言及して、2018年のベスト本にも挙げた。けど、これは広く読まれるべき本だと思うので、もうひとプッシュしてみる。たぶんこの本について…

【寄稿連載更新】 年齢という「神話」に頼らないための武器

タトル・モリエイジェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。ぜひご覧ください↓ 年齢によるターゲティングから「価値」によるターゲティングへの転換を説く、David Allison著"We Are All the Same A…

人類さん、ソーシャル過ぎません? - 2018年に読んだ本から

この記事で言いたいこと 人間の理性は、「ハイパーソーシャル」な特殊環境で他人を説得するために進化したニッチな能力だ。そこには集団で不合理な決定をしてしまうという負の側面がある。そして、ソーシャル過ぎるメディア環境では、事実を重視する「ファク…

お金より時間より大事なリソース - 21 Lessons for the 21st Century by Yuval Noah Harari

この記事で言いたいこと ユヴァル・ノア・ハラリは、毎日2時間、瞑想するらしい。 アテンション(注意、注目)は、現代で最も希少で重要なリソースだ。 誰もが瞑想したがっているわけじゃないけれど、自分でアテンションをコントロールするのが大事。 目次 …

【寄稿連載更新】中国のAI開発について2018年の決定版

タトル・モリエイジェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 グーグル中国法人*1の代表などを歴任したカイフー・リーの本を紹介しています。中国のAI開発について、断片的なwebニュースは多いと思…

ネオ・チャイナ、面白い

前の記事で紹介したブックリストに出てくる「ネオ・チャイナ:富、真実、心のよりどころを求める13億人の野望」を読んだ。これ、めちゃくちゃ面白い。

【寄稿連載更新】マイケル・ルイスの新作はトランプ政権について

タトル・モリエイジェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 手前ミソですが、これは良く書けた回だと思うので、ぜひご覧ください↓

【さよなら人類】ホモ・サピエンスからホモ・デウスへ - Homo Deus by Yuval Noah Harari

Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 2016/10/31 初出 2018/09/09 日本語版「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」発売につき更新 「あなたが望めば戦争は終わる」とジョン・レノンは言ったけれど、望まなくても戦争が終わり、望まないと死ね…

【寄稿連載更新】アンチ・ソーシャル・メディア

note「翻訳書ときどき洋書」内の寄稿連載、更新しました!