未翻訳ブックレビュー

Lost-In-Translation Book Review. 日本語版発売を待たずに本を紹介するページです

ジュノ・ディアスとMeToo - その3 - ボストン・レビューの声明文の和訳

前の記事↑からの続き。 ピュリッツァー賞作家ジュノ・ディアスのパワハラ・セクハラ疑惑(経緯は前の記事参照)に際して、政治・文化メディアのBoston ReviewがWeb上に発表した声明文を以下に勝手に訳す。

ジュノ・ディアスとMeToo - その2 - セクハラ・パワハラ疑惑

ピュリッツァー賞作家ジュノ・ディアスの絵本を紹介した前の記事↑からの派生記事。 というか、ここからが本題。 前の記事を書くときにジュノ・ディアスの近況を調べてみたら、2018年の5月に彼に対するセクハラ・パワハラ疑惑が起こっていた。その経緯は次の1…

ジュノ・ディアスとMeToo - その1 - 新作絵本の書評

Junot Diaz - Islandborn 本書"Islandborn"の主人公ローラが通う学校の子どもたちは、皆どこか別の場所の出身だ。 「みんながもともといた国のことを絵に描こう」 先生がそう課題を出したとき、他の生徒は色めきだったがローラは困ってしまう。生まれてすぐ…

【寄稿連載更新】人工肉の世界へようこそ

タトル・モリエイジェンシーさんが世界の本棚からお薦めを紹介する「翻訳書ときどき洋書」への寄稿連載、更新しました。 ビールを醸造するように幹細胞から肉を培養する「アニマル・フリー」な肉の実用化を目指すスタートアップ企業を描くノンフィクションを…

【さよなら人類】ホモ・サピエンスからホモ・デウスへ - Homo Deus by Yuval Noah Harari

Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 2016/10/31 初出 2018/09/09 日本語版「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」発売につき更新 「あなたが望めば戦争は終わる」とジョン・レノンは言ったけれど、望まなくても戦争が終わり、望まないと死ね…

【寄稿連載更新】美の進化

note「翻訳書ときどき洋書」内の連載、更新しています。

これも愛 - The First Bad Man by Miranda July

The First Bad Man: A Novel (English Edition) 作者: Miranda July 発売日: 2015/01/13 ミランダ・ジュライの小説”The First Bad Man"の主人公Cheryl(シェリル)は、自分の生活スタイルを「システム」と呼ぶ。人は沈んだ気分になると皿洗いも面倒になって…

未来が見える未訳本カタログ2018

毎年恒例、面白そうな未訳本のまとめ記事を今年も作成してみた。 去年までは5月の連休の時期に書いていたけど、今年は夏の公開にした。理由は、英語圏では「サマー・リード」や「ビーチ・リード」などの名前で、本の紹介情報が夏に数多く出てくるので、それ…

【寄稿連載更新】アンチ・ソーシャル・メディア

note「翻訳書ときどき洋書」内の寄稿連載、更新しました!

世界全体があなたを愛する楽園 - 村田沙耶香「消滅世界」

「LGBTは子どもを産まないため生産性がなく、彼らに税金を投入するのはおかしい」という主旨の寄稿をした国会議員がいた。 この意見は差別だし真っ当な反論は各所でされている。でも、その議員には別の質問もしてみたい。もし次のように訊いたら、なんと答え…

【寄稿連載更新】「なぜ」の本 - 原因と結果の新しい科学

note「翻訳書ときどき洋書」内の寄稿連載、更新しました! 「コンピューター科学者にしてパートタイムの哲学者」と自称するジュディア・パールの本、"The Book of Why"を紹介しています。 なぜ人は「なぜ」という疑問を持てるのか。 前回紹介した"Factfulnes…

【和訳】ユヴァル・ノア・ハラリが語る、ゲイであること(そして科学研究で大事なこと)

2018.9.29追記: 「ユヴァル・ノア・ハラリ」で検索してこのページにアクセスする方が多いので、ハラリ関連の過去記事まとめを記事の末尾に作りました。当記事とあわせてぜひどうぞ。

【取材協力】サイゾー18年7月号「タブーな本150冊」

サイゾー 2018年 7月号 [雑誌] 作者: サイゾー編集部 出版社/メーカー: サイゾー 発売日: 2018/06/18 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る お知らせです。 月刊サイゾー18年7月号の特集「タブーな本150冊」に取材協力しました。 同誌の年に一度の…

数字を見たらとにかく割ろう - "Factfulness"の教えの具体例

以下の連載で紹介したハンス・ロスリング著"Factfulness"(ファクトフルネス)に関するスピンオフ記事。

ハイテンション!統計実況おじさん〜寄稿連載更新

お知らせです。 「翻訳書ときどき洋書」内の寄稿連載更新しました! note.mu 統計をエンタメに変えた男、ことハンス・ロスリングの本を紹介しています。 ぜひどうぞ。

変わるのは火星か人間か - How We'll Live on Mars by Stephen Petranek

How We'll Live on Mars (TED Books) (English Edition)作者: Stephen Petranek 第二次世界大戦終結から6年後の1951年、"Das Marsprojekt"(The Mars Project)というドイツ語で書かれた小冊子がアメリカで発行された。レイ・ブラッドベリによる1950年作「火…

【お知らせ】寄稿連載を始めました

お知らせです。Webメディアで寄稿連載を開始しました。 日本の翻訳出版の著作権仲介で60%のシェアを持っていて、ムーミンの版権管理会社でもあるタトル・モリエイジェンシーさんがnote上に新しく立ち上げたページ「翻訳書ときどき洋書」に掲載されています。…

寝なくて平気は自覚がないだけ - Why We Sleep by Matthew Walker

わかっちゃいるけど寝てられない。 そんな人が読むべき本。 神経科学者で心理学者のマシュー・ウォーカーによる本書"Why We Sleep"は、睡眠の重要性を詳述する。睡眠不足は認知能力の低下を招くだけでなく、肥満や高血圧から免疫不全や癌まで健康上のリスク…

霞が関の中心でデジタル独裁を叫んだ会長

叫んではいないだろうけれど、経済同友会の会長は「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリがお好きなようだ。 ハラリが2018年1月のダボス会議で語ったDigital Dictatorship(デジタル独裁)という概念を、三菱ケミカルの会長でもある小林喜光氏が国交省…

文学はケータイテキストをどう扱うと効果的か

小ネタ記事。 カルチャーメディアのThe Millionsに「テキスト・ミー:フィクションにおける新しいテクノロジーについて」という記事が出ていた。 これを材料にして、文学はケータイのテキストメッセージをどう扱うと効果的かを考えてみる。 結論を先に書くと…

なんかもう当たり前みたいになってるけど、Facebookのデータと広告だけで人の行動を変えられるのすごくないか

この記事はケンブリッジ・アナリティカ事件への雑感。 上にリンクした英ガーディアンの記事と、昨年2017年に私的ベストに挙げた”Everybody Lies”(日本語版「誰もが嘘をついている」発売中)という本を材料にして考える。 言いたいことはタイトルの通り。こ…

ある敗北の記録 - もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来 by yomoyomo

もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来 このブログにとっては先輩でありネタ元でありパクリ元である存在のyomoyomoさんが2017年末に発売した電子書籍。ネットの現在と未来について、WirelessWire Newsの連載コラムを再構成したも…

親が子にできるだけのこと - The Best We Could Do by Thi Bui

Thi Bui - The Best We Could Do: An Illustrated Memoir 親が子どもにすることには正解がない。

「ちょっとしたことでうまくいく」と、個人的な英語習得経験

当たり前を言語化して学ぶことの価値について。 読書猿さんの以下ツイートで知った本を入口にして考える。 こうした、当たり前過ぎて我々が言語化していない行動について、改めて丁寧にできるように解説してある書物は、重要だし役に立ちますね。 https://t.…

小袋成彬「分離派の夏」が終わらせてほしい、J-POPが確認しがちな事

Lonely One feat. 宇多田ヒカル - 小袋成彬 on Apple Music 書評じゃない番外記事。まだ全貌を聴いていない音楽への期待。 サマリすると、小袋成彬の音楽はJ-POPが確認しがちな「みんな同じ空の下つながっていてひとりじゃない」的なメンタリティから自由な…

みんな嘘つき - 検索データの新科学

2017/09/18 初出 2018/02/09 日本語版発売につき更新「誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性」→2017年のベストにも挙げた本なのでご一読を。 人に言えない秘密でも、グーグルになら言えるはず。 本書"Everybody Lies: Big Data, New…

理性は誤解されている - The Enigma of Reason by Hugo Mercier, Dan Sperber

人間は”予想通りに不合理”に行動する。 でも、なぜ? ともにフランスの認知科学者であるユーゴ・メルシエとダン・スペルベルは、本書"The Enigma of Reason"(理性の謎)で、人間の理性とは何かを見直す。 まだ2月だけど2018年ベストの一つに選ぶだろう本。

現代の恋愛に欠けているのは情報 - Cat Person by Kristen Roupenian

「するんじゃなかったセックス」を描いた小説"Cat Person"を紹介する。ネタバレあり。

逃げれば過去とも向き合える - The Glass Castle by Jeanette Walls

Jeanette Walls - The Glass Castle ニューヨークで芸能系ニュースの記者・編集者として働くジャネット・ウォールズは、ある女性がゴミ箱を漁っているのを見つける。それは彼女の母親だった・・ 両親との思い出と葛藤を綴った自伝的ノンフィクションを入り口…

20年後に再評価されるYoutuberとかいるのだろうか?

ファン・ゴッホやカフカが今の時代にいてYoutuberだったらどうしているだろう。 書評と関係ない番外記事。上の騒動のニュースを見ての雑感。